『この虫ケラが!!』とは言わせないよ

虫には触れないけど、虫の生き方のすごさを紹介していきます。普段はすぐに潰してしまう虫の意外な能力に驚くかもしれないです

昆虫の定義と繁栄の秘密その2

f:id:shiba-shin:20191120214924j:plain

 

www.nomushikerashiba.work

前回の記事では、昆虫は地球上にどのくらいの種類がいるのかとか、昆虫の定義について触れていきました。

今回は、昆虫の定義の中で体が『頭部』『胸部』『腹部』の3つのパーツにはそれぞれどのような役割があるのかと、昆虫がなぜ繁栄できたのかということを見ていきます。

 

それでは『頭部』『胸部』『腹部』について見ていきます。(腹部については後日加筆します)

 

頭部(上の図の緑枠):食べ物をとるための口器と視覚などの感覚器官が集まっている

○口と複眼がある

・口→種類によもよりますが、咀嚼(噛む)と吸汁(液体を吸い込む)をして食事をする器官です。

・複眼→視覚を確保するための目のことです。単眼もあります。

 

胸部(上の図の青枠):翅と脚があり移動のための器官が集まっています。

・昆虫を裏返すと胸部も三節に分かれており、その各節にそれぞれ一対ずつ脚がついています。

・昆虫繁栄の要因の一つである、も胸部にあり大部分の昆虫は二対四枚の翅があります。例外としてハエ目(双翅目→読み方:そうしもく)は翅が一対二枚です。

・余談ですがカブト虫を持ち上げる時に摘む、短い角も胸部についており、長い角は頭部についています。両方とも頭部についている角だと思っていたので、このことに気づいた時はかなり驚きました。

 

腹部(上の図の赤枠):呼吸、排泄、生殖のための器官が集まっています。

ここについては後日加筆していきます。

人間から見ると小さくと弱々しい昆虫も、体の構造を見ると素晴らしいです。

 

次は、昆虫がなぜ地球上で一番繁栄しているかのという秘密について見ていきます。

繁栄の大きな要因は翅の獲得と成長の過程で変態するという二つです。

 

まずは翅の獲得から見ていきます。

昆虫の99%は翅を持っており、空を飛ぶことがてきます。普段地面を歩いている蟻も繁殖の時期になると巣穴から飛び出して新しい巣を作ります。

昆虫の99%が飛び回っているから、虫が出る時期になると飛んでいる姿を見かけることが多いわけです。

昆虫はいつ頃から飛び始めたのかというと3億年前(カゲロウやトンボが飛び始めました)から飛んでおり、地球上で初めて空を飛んだ生物が昆虫です。

また、2億9千万年前には『メガネウラ - Wikipedia』という巨大なトンボが空を飛んでいました。この巨大トンボは翅を広げた大きさが70cm前後なので現代の地球にいたら恐怖を感じるかもしれません。この70cm前後という大きさは人間の新生児の生後5ヶ月から8ヶ月の平均身長に相当します。

腕に抱いてると我が子と同じくらいの大きさの昆虫が空を飛んでいるって考えるとかなりすごいかも。

翅を獲得したことによるメリットは以下の三つです。

⑴生活圏を広げられる

体が小さい昆虫が歩いて移動できる距離は短い上に時間もかかるけど、飛ぶことで地面の水平方向の移動だけではなく、木の上や山の上などの垂直方向にも移動できるようになりました。

移動範囲の拡大により、様々な環境への移動と適応が出来るように種の拡大に繋がりました。

 

⑵天敵から素早く逃げられるようになり、近縁ではない配偶者に出会えるようになった

 

⑶翅の色によって隠蔽できるようになった

・バッタの草むらのような形状で天敵から身を隠せるようになった

・毒を持つチョウの派手な翅は、毒を持つことを周りに示す警戒色

・甲虫の硬い翅は衝撃や乾燥から身を守る甲羅の役割を果たす

など、翅は飛ぶ以外の効果も効果を与え昆虫繁栄の要因となりました。

 

次は昆虫繁栄のもう一つの要因である変態についてです。変態とは成長過程で姿・形が変わることで、昆虫の約80%完全変態をします。変態には完全変態の他にもいくつか種類があるので見ていきましょう。

 

完全変態(カブト虫やチョウ等)

・約80%の昆虫が行い、卵から孵った後は幼虫→さなぎ→成虫の順で成長していきます。成長過程でそれぞれ役割が決まっており、幼虫は餌をたくさん食べて大きくなる期間、さなぎは体の形を大きく変化させる期間、成虫は繁殖する期間となってます。成虫になると全く餌を食べずに交尾と産卵に専念する昆虫もいます。

完全変態で幼虫と成虫では生活環境が大きく異なります。

 カブト虫の場合、幼虫は土の中で朽木や腐葉土を餌にしますが、成虫は木の上で樹液を餌に生活します。

・幼虫は食べ物が豊富なところで食事に専念して、成虫は別な場所で産卵します。

この時、産卵場所が今までと違う環境でそこに幼虫が適応できれば、新種の誕生に繋がります。これが、長年続いて繁栄してきました。

 

○不完全変態(バッタやフナムシ等)

・幼虫から脱皮を繰り返し、翅が伸びて成虫になります。

幼虫と成虫に大きな違いがなく、サナギの期間はありません。

 

○半変態(トンボ等)

・サナギの期間はなく、見た目や生活環境が違います。

トンボの場合は、幼虫の期間は水中で生活して、成虫は陸上で生活します。

 

○ 漸変態(読み方→ぜんへんたい)(カメムシ等)

・サナギの期間がなくて、幼虫と成虫では大きな変化はありません。

 

○無変態(シミ等 原始的な昆虫)

・成長に伴う性成熟以外の変態を一切行いわない変態です。

 

このように幼虫と成虫の期間で役割と生息環境を変化させることによって、昆虫は繁栄してきました。

 

身近な昆虫たちは実は3億年以上前から地球上に存在していて、色々な環境に適応して繁栄していたんですね。

昆虫について調べると毎回、小さな生き物のすごい能力に驚いています。

次回はアリか昆虫はどうやって飛んでいるのかについて書いていこうと思います。

最後までお付き合いありがとうございました。

 

 

昆虫はすごい (光文社新書)

昆虫はすごい (光文社新書)

 
昆虫 信じられない能力に驚く本: 小さな生き物たちの大胆な生き方とは (KAWADE夢文庫)
 
カメムシ: おもしろ生態と上手なつきあい方

カメムシ: おもしろ生態と上手なつきあい方