カブト虫の体ってなんで黒いのかな?
夏になるとホームセンターで売られていたり、キャンプ場とか山が近い住宅地とかに出てくるカブト虫について『カブト虫とかクワガタの体って何で黒くて硬いのかな?』って思ったことある?
色と硬さについて説明してくれているのが『本川達雄著 ウニはすごいバッタもすごい』っていう本。
この本は昆虫の硬さの他にも『ヒトデは何で星型なのか?』とか『ホタテとかアサリが殻を閉じると長時間すごい力で殻を閉じ続けていられるのは何でか?』とかっていうことも教えてくれているから、かなり面白い一冊で何回も読み返したくなるんだよねw
本題の『カブト虫の体は何で黒くて硬いのか?』っていうことの答えは、昆虫とかの無脊椎動物の体を作っている外骨格のクチクラがキノン硬化で黒くなっているから。
あーーー聞いたことない言葉がたくさん(泣)
大まかに説明すると・・・
無脊椎動物→背骨を持たない動物(虫、昆虫、貝類、イカ、タコとか・・・)
外骨格→体の表面が硬くなったもの(昆虫、カニ、エビとか・・・)
人間とかの哺乳類は体の内側に骨があるから内骨格の生物
今回の色と硬さで大事になってくるのが『クチクラ』と『キノン硬化(タンニング)』の二つ。
クチクラ→有機物(多糖類とかタンパク質)で作られている昆虫とかの無脊椎動物の外骨格。
有機物っていう複雑な分子を使って作るから、エネルギーをたくさん使うっていうデメリットはあるけど、昆虫たちの繁栄に欠かせない大きなメリットもあるんだよね。
そのメリットが・・・
軽くて、丈夫で、高機能!
昆虫の脚を見るとかなり細くない?あの細さで歩いたり走ったり。
カブト虫だと餌場の争いで角を使って相手を投げ飛ばす時に、自分の重さに加えて相手の体重も支えて更に投げ飛ばす力も加わるからかなりの重さがあるのに脚が折れないんだよ!
昆虫の羽を見ても、向こう側が透ける薄さで自分の体を浮かせて自由に飛び回っちゃうからすごいよねー!例えは少ないけど、これら全部クチクラでやってるんだよ。
でね、『クチクラ』って皮膚を意味するラテン語が語源になっていて、英語だと『キューティクル』って言うんだけど、『キューティクル』ってシャンプーとかのCMで聞いたことあるよね?
体の表面を覆っている薄くて硬い膜状の物はなんでもクチクラっていうんだよ。
だから、植物にもクチクラはあるんだよねー
昆虫のクチクラは三層構造になっているんだけど、その構造については長くなりそうだから次回のブログに書くね。
あとはクチクラを硬くする『キノン硬化』のお話し。
三層構造になっているクチクラの上から二層目と三層目は、元は『原クチクラ』っていう一つの物なんだよ。それのうち外側にキノンっていう化学物質がクチクラの基質を作っているタンパク質の分子の間に橋を架けて、変形しにくくしているから硬くなるんだよね。
この架橋する時に水分が失われるからこれも硬さを増す一因になっているんだよ。
キノン硬化はタンニングとも言われていて、『タン』は日焼けで褐色になること指しているんだよ。
キノンで架橋するとその部分が茶褐色に色付くから『タン』なんだね。
クチクラって本来は白色で硬さを増すごとに薄茶色→茶色→黒っぽい茶色→黒っていう順に色が濃くなっていくから、カブト虫の体は黒くて硬くなるんだねー。
カブト虫の種類にもよると思うけど写真のカブト虫は黒に近い茶色だね。
僕は触れないけどカブト虫の幼虫って頭の先端以外は白色で頭の先端は黒に近いよね?
ということは幼虫の体は柔らかくて頭は硬いんだね。触った人の感想だとやっぱり体はプヨプヨしてるんだって。これがキノン硬化前のクチクラの本来の色と感触なんだ!
先端の黒については餌が腐葉土とか朽木だから、ある程度の硬さがないと餌を食べられないから硬くなってるのかな?
本の中ではシロアリを例にして硬さと色付きについて説明してたけど、シロアリを見たことがなくて実感がわかないからカブト虫にしてみた。
ちなみにシロアリはアリの仲間じゃなくて、ゴキブリの仲間なんだよね。
もし、内容に間違いがあれば教えてください。
次回はクチクラの三層構造に書いていこうかな?
ウニはすごい バッタもすごい - デザインの生物学 (中公新書)
- 作者: 本川達雄
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/02/19
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (9件) を見る