お腹をすかせた子供は身近にいませんか?
『こどもの貧困』という言葉をニュースとか新聞とかで見かけたり聞いたりしたことってありますか?
もしかしたら、ニュースとかで見ていても「こういう子供達がいるんだー」とか「ニュースで見ても近くにはいないしね」って思うことも少なからずあると思います。
でも、2015年の日本財団の調査によると17歳以下の子供のうち13.9%(7人に1人)は貧困で生活に困っているという結果が出ています。
2012年に調査した時は16.3%(6人に1人)だったので少しは改善されましたが、世界的に見てもかなり深刻な貧困率になっています。
世界と比べるとどのくらいかというと日本はアメリカ・中国に次いで世界3位の経済大国ですが、貧困率だとG7の中でアメリカに次いで2位です。また、OECD加盟国35カ国中ワースト1位という深刻な貧困率となっています。
この数字をみても「貧困率がワースト1位なのに路上生活をしている子供はいないし、極端に
痩せている子供もボロボロの薄着の子供もいないじゃないか」って感じると思います。このような貧困のことを「絶対的貧困」と言って「衣食住」がないことを指します。
ですが、子供の貧困の場合はもう一つの「相対的貧困」の状態のことで、「衣食住」が揃っているため、なかなか外から眺めているだけでは実態は分かりません。
具体的には相対的貧困とは、衣食住はあるけれど、文化的で最低限度の生活ができないことを指します。普通の生活ができないってことですね。
外からだとなかなか分からない相対的貧困はどうやって決めるのかっていうと、下記の順番で計算していきます。
1.国民生活基礎調査のデータをもとに総収入から税金や国民年金等を除いた手取り収入を算出
2.1人当たりの可処分所得を換算
3.低い順番に並べて平均値の半分が貧困ラインになる
貧困ライン未満で生活している17歳以下の子供たちが該当する
2015年時点での貧困ラインが年間122万円未満の手取り収入だから、1ヶ月10万円くらいの生活だとかなり辛いですよね?1人親世帯とか非正規雇用の世帯の子供が多いから夜は子供が家に1人ってことも珍しくないです。
このような子供達がどんな環境で生活を送っているのか福祉事務所や社会福祉協議会のケースワーカーの家庭訪問でわかった様子を見ていきます。
◯住居
・部屋中ゴミだらけで食器や衣類が散乱している
・油虫が走り回っている
・閉め切っているため異様な臭いが漂う
・風呂、トイレ、台所は汚れている
・アパートの場合は家賃が滞納している
・電気、ガス、水道のライフラインが止められている
◯食べ物
・ほとんどがインスタント、レトルト、カップラーメン
・1日1食の家庭もある
・期限切れで廃棄された食品を拾って食べることもある
◯衣服
・同じ物を何日も着る→洗濯できないことが多い
・靴は1足しか持っておらず買えないため汚れても同じ靴を履いている
◯その他
・風呂や洗濯の回数を減らす
・おもちゃや参考書、文房具、パソコンなどを買えない
このように衣食住は揃っているけど普通の生活を送れない状態になっています。
この状態で子供が学校に行くと子供は周囲の同級生等からどのように思われるかは想像に難くないと
思います。更に塾に行くどころから参考書や問題集も買えないので、勉強に遅れが生じて
不登校になる可能性もあります。
文字数が多くなったのでこの辺にしておきます。
今回のブログで参考にしたサイトと書籍は以下の通りです。最後までお付き合いありがとうございました。
普通の日本人が知らない「貧困」の深刻な実態 | 国内経済 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準